「ベルク」と「ベルクス」は、名前や赤系のロゴが似ているため、同じ系列のスーパーだと思われることがあります。しかし、両者は運営会社も創業の経緯も異なる、別々のスーパーマーケットチェーンです。ベルクは埼玉県鶴ヶ島市に本社を置く株式会社ベルク、ベルクスは東京都足立区に本社を置く株式会社サンベルクスが運営しています。
では、実際に買い物をするなら、どちらが安く、どちらが使いやすいのでしょうか。2026年の企業公式情報や沿革、店舗数、各社が公表している経営方針をもとに、価格の考え方、生鮮食品の品ぞろえ、イオングループとの関係、ベルク独自のディスカウント業態「クルベ」との違いまで整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ベルクとベルクスは別会社。ベルクは埼玉県鶴ヶ島市、ベルクスは東京都足立区に本社を置く。
- 要点2:ベルクは店舗運営の標準化や物流効率化、ベルクスは生鮮食品の専門性や季節商品に力を入れている。
- 要点3:どちらが安いかは商品・店舗・特売日によって変わる。2026年8月末時点のベルクは「ベルク」と「クルベ」を合わせて151店舗。
【まず結論】ベルクとベルクスの違いは運営会社・本社・店舗戦略
ベルクとベルクスの最大の違いは、企業としての成り立ちと、スーパーを運営するうえで重視している戦略です。名前が似ていても、同じ会社の別ブランドでも、親会社を共有する系列店でもありません。
ベルクを運営する株式会社ベルクは、1959年に埼玉県秩父市で「主婦の店秩父店」としてスタートしました。現在は関東地方を中心に展開する食品スーパーで、店舗フォーマットの標準化、効率的な物流、プライベートブランド商品の開発などを通じて、価格と品質の両立を目指しています。
一方、ベルクスを運営する株式会社サンベルクスは、1968年9月に東京都足立区の都営団地内で青果専門店を開業したことが出発点です。八百屋をルーツとする企業らしく、生鮮食品の鮮度や専門性、季節に合わせた商品の提案を重視しています。
本社所在地も明確に異なります。ベルクは埼玉県鶴ヶ島市脚折、ベルクスは東京都足立区花畑です。店舗の分布にも違いがあり、ベルクは埼玉県を中心に関東7都県へ展開する一方、ベルクスは東京都・千葉県・埼玉県を中心に出店しています。
つまり、両社は同じ関東圏の食品スーパーでありながら、ベルクは効率的なチェーン運営、ベルクスは生鮮食品を軸にした専門性という、それぞれの強みを持っています。
【創業年と名前の由来】なぜベルクとベルクスは似ているのか
両社の歴史をたどると、名前が似ているからといって、同じ企業の発展形だと考えるのは誤りだとわかります。
ベルクの歴史は1959年5月、埼玉県秩父市で株式会社主婦の店秩父店を設立したところから始まります。当時、創業者の原島善一氏は、小売業で普及し始めていたセルフサービス方式に将来性を見いだし、生鮮食料品などの販売を目的に事業を開始しました。
1983年には「株式会社主婦の店ベルク」へ商号を変更し、1992年に現在の「株式会社ベルク」となりました。社名の「ベルク」は、企業理念である「Better Life with Community」の頭文字などを組み合わせた名称です。地域社会とともに、より充実した生活を提供するという考え方が込められています。
対するベルクスは、1968年9月に足立区保木間の都営団地内で青果専門店を開業しました。その後、1977年に江北店を開き、1985年にはスーパーマーケット1号店となる三郷団地店を出店。1995年には会社名を株式会社サンベルクスに変更し、店名も「スーパーベルクス」へと改めています。
ベルクスという名称の由来は、サンベルクスの公式採用情報によると「Best goods Everyday Low price X」。良い商品を日常的に低価格で提供するという考え方を表しています。
このように、ベルクは地域社会への貢献を表す理念、ベルクスは商品と価格への姿勢を表す名称という違いがあります。両社は創業時期も事業の歩みも異なり、名前が似ていること自体は、資本関係や企業系列を示すものではありません。
【2026年最新比較】本社・創業・店舗数・特徴を一覧で確認
両社の違いを整理すると、次のようになります。店舗数については、各社が公表している基準日をそろえて確認することが大切です。
| 比較項目 | ベルク | ベルクス |
|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社ベルク | 株式会社サンベルクス |
| 本社所在地 | 埼玉県鶴ヶ島市 | 東京都足立区 |
| 創業・事業開始 | 1959年5月に会社設立、6月に1号店を出店 | 1968年9月に青果専門店を開業 |
| 会社設立 | 1959年5月 | 1983年3月 |
| 店名の由来 | Better Life with Community | Best goods Everyday Low price X |
| 店舗数 | 151店舗(2026年8月末、クルベを含む) | 53店舗(公式企業情報の2026年2月末時点) |
| 主な展開地域 | 埼玉・千葉・群馬・東京・神奈川・茨城・栃木 | 東京・千葉・埼玉 |
| 主な強み | 店舗運営の標準化、物流効率化、幅広い品ぞろえ | 生鮮食品の専門性、季節商品、鮮度へのこだわり |
| グループ・資本関係 | イオンと業務・資本提携 | サンベルクスホールディングスを中心とするグループ |
ベルクの店舗数は、2026年8月末の開示資料で、通常のベルク147店舗とクルベ4店舗の合計151店舗です。2026年2月末にはベルク148店舗、クルベ3店舗だったため、ブランド別の内訳は出店・閉店や業態転換によって変わります。
ベルクスは公式企業情報で2026年2月末時点の53店舗を公表しています。一方、2026年7月時点の求人情報には54店舗との記載もあります。公開情報の基準日によって数字に差があるため、店舗数を厳密に比較する際は、集計時点をそろえて見る必要があります。
なお、ベルクは2026年2月期の売上高が4,165億円、サンベルクスは同決算期の売上高が1,402億円と公表しています。ただし、売上高の規模だけで個々の店舗の安さや、商品の品質を判断することはできません。
【どっちが安い?】ベルクとベルクスの価格比較と安さの仕組み
「ベルクとベルクスはどっちが安いのか」という疑問に対しては、どちらか一方が常に安いとは断定できません。食品スーパーの価格は、商品カテゴリー、仕入れ条件、特売期間、店舗の立地、販売量などによって変動するためです。
両社とも低価格を重視していますが、安さを生み出す仕組みには違いがあります。
ベルクの安さを支えるのは、店舗運営の標準化と物流効率化です。ベルクは売り場のレイアウトや作業手順を標準化し、店舗ごとの運営効率を高めています。公式の企業情報では、自社物流センターを活用した配送の効率化や、商品を産地・メーカーからまとめて調達する取り組みも紹介されています。
さらに、プライベートブランド「くらしにベルク kurabelc」を含む自社開発商品を拡充しています。2026年2月期の公表資料では、PB商品の総販売商品数は1,394点。日常的に購入する食品や生活関連商品を、品質と価格の両面から選べるようにする戦略です。
ベルクスは、生鮮食品の専門性と商品選定へのこだわりを打ち出しています。公式情報では、青果・精肉・鮮魚・惣菜などの部門が専門性を発揮し、素材のおいしさや鮮度にこだわった商品を提供する方針を掲げています。季節商品を積極的に扱い、おいしい時期に合った商品や食べ方を提案することも特徴です。
こうした違いから、日々の食料品を幅広く買いそろえるならベルク、旬の野菜や魚、肉などの生鮮食品を重点的に選びたいならベルクス、という視点で比較する価値があります。ただし、ベルクスの生鮮食品がすべて安い、あるいはベルクの加工食品が常に安いという意味ではありません。
実際の価格を比べるときは、次の3点を確認すると判断しやすくなります。
- 同じ商品の価格:メーカー、容量、産地、等級などの条件をそろえて比較する。
- 生鮮食品の実質的なお得さ:値札だけでなく、可食部の量、鮮度、品質、使い切れる分量も考慮する。
- 特売・ポイント還元:チラシ掲載価格やキャンペーンを確認し、ポイント利用後の実質負担額まで計算する。
例えば、野菜が安くても、購入後すぐに使い切れず廃棄してしまえば、家計全体ではお得になりません。反対に、少し高い商品でも品質がよく、食材を無駄なく使い切れるなら、満足度の高い買い物になる場合があります。
【品ぞろえと評判】ベルクとベルクスはどう使い分ける?
ベルクは、日常の買い物を一か所で済ませやすい食品スーパーを目指し、標準化された売り場と幅広い商品構成を強みにしています。生鮮食品だけでなく、加工食品、飲料、日用品、惣菜などをまとめて購入したい人にとって、使いやすい選択肢です。
また、店舗フォーマットを標準化することで、買い回りのしやすさや作業効率を高めています。ベルクの公式情報では、売り場面積約600坪を基本とする店舗づくりや、広い駐車場、豊富な品ぞろえなども特徴として紹介されています。もっとも、店舗の規模や取り扱い商品は立地や店舗ごとに異なります。
ベルクスは、青果店を起源とする企業らしく、生鮮食品を中心に専門性を追求する姿勢が特徴です。公式の事業紹介でも、素材のおいしさ、鮮度、季節に合った商品提案を重視しています。旬の食材を選びたい人や、野菜・肉・魚などの売り場をじっくり見て買い物をしたい人に向いています。
では、評判はどう見ればよいのでしょうか。スーパーの口コミは、価格だけでなく、商品の鮮度、惣菜の味、混雑、駐車場、接客、売り切れの頻度など、さまざまな要素に左右されます。同じチェーンでも、店舗の立地や規模、利用時間によって買い物体験は異なります。
そのため、ネット上の口コミを参考にする場合は、チェーン全体の評判と、実際に利用する店舗の評判を分けて考えることが大切です。価格を重視する人は直近のチラシ、鮮度を重視する人は生鮮売り場、利便性を重視する人は営業時間や駐車場などを確認すると、自分に合う店舗を選びやすくなります。
特に、ベルクスの店舗が近くにある地域と、ベルクの店舗が充実している地域では、比較できる商品の種類や特売の内容も変わります。両方を日常的に利用できるなら、食材ごとに購入先を分ける方法も有効です。
【見分け方と関連スーパー】ベルクス・ベイシア・クルベの違い
ベルクとベルクスを見分ける際は、ロゴの色だけに頼らず、店名の表記と運営会社を確認するのが確実です。赤系のロゴや似たカタカナ表記は混同の原因になりますが、店舗の看板にある正式名称を見れば区別できます。
ベルクは「ベルク」「Belc」と表記され、独自のプライベートブランド「くらしにベルク」も展開しています。ベルクスは「スーパーベルクス」「SUPER BELX」などの表記が目印です。会社概要や公式の店舗案内を確認すれば、運営会社の違いもわかります。
ベルクとイオングループの関係についても、誤解されやすい点があります。ベルクは2006年7月にイオンと業務・資本提携を締結しました。商品供給、販売促進、開発業務などで提携し、イオンは2026年2月末時点でベルクの発行済株式の15%を保有しています。一方、ベルクの有価証券報告書では、経営方針の決定にイオンの承認を必要とする事項は特にないと説明されています。
つまり、ベルクはイオンと関係の深い企業ですが、イオンの店舗ブランドそのものではありません。ベルクスはサンベルクスを中心とする別の企業グループであり、ベルクと同じイオングループのスーパーというわけでもありません。
ベルクとベイシアの違いも押さえておきたいところです。ベイシアは、1958年設立の「いせや」を前身とし、1996年に株式会社ベイシアを設立、1997年に営業を開始した企業です。2026年2月末時点では138店舗を展開し、衣食住の商品を扱うショッピングセンターやスーパーセンターを主な事業としています。
ベルクとベイシアは、どちらも関東を基盤とする小売企業ですが、会社の沿革や企業グループは異なります。ベルクは食品スーパーを中心に展開し、イオンと業務・資本提携を行っているのに対し、ベイシアはベイシアグループの中核企業です。名前や地域が近いというだけで、同じ系列だと判断しないようにしましょう。
もう一つ、ベルクと混同しやすい名称が「クルベ」です。クルベはベルクが展開するディスカウント型の新業態で、2023年に群馬県高崎市のクルベ江木店からスタートしました。2026年8月末時点では4店舗を展開しています。
通常のベルクが幅広い品ぞろえや買い物の利便性を重視するのに対し、クルベは「驚きの安さ」と必要最小限のサービスを特徴としています。サービスを絞ることで、お得な買い物を目指す業態です。クルベはベルクの事業であり、ベルクスとは関係ありません。
このように、名前が似ているスーパーを整理するときは、運営会社、ブランドの位置づけ、企業グループの3点を分けて確認することが重要です。
【ベルクとベルクスの違い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ベルクとベルクスは同じ会社ですか?
A1:いいえ、別会社です。ベルクは株式会社ベルク、ベルクスは株式会社サンベルクスが運営しています。本社もそれぞれ埼玉県鶴ヶ島市と東京都足立区にあり、創業の経緯や経営方針も異なります。
Q2:ベルクとベルクスは結局どっちが安いですか?
A2:商品や店舗、特売日によって異なるため、常にどちらかが安いとはいえません。ベルクは店舗運営の標準化や物流効率化、PB商品の開発を通じて価格競争力を高めています。ベルクスは生鮮食品の専門性や季節商品に力を入れています。同じ商品・容量の価格と、その日の特売情報を比べるのが確実です。
Q3:ベルクはイオンの系列ですか?
A3:ベルクは2006年にイオンと業務・資本提携を締結し、イオンが株式の15%を保有しています。ただし、ベルクは独立した上場企業であり、イオンとの関係は資本・業務提携です。ベルクスは別の企業グループに属しています。
まとめ:ベルクとベルクスは価格・品ぞろえ・利用目的で選ぶ
ベルクとベルクスは、名前やロゴが似ていても、運営会社、創業年、本社所在地が異なる別々のスーパーです。ベルクは1959年に埼玉県秩父市で創業し、店舗運営の標準化や物流効率化を強みに成長してきました。ベルクスは1968年に東京都足立区で青果専門店としてスタートし、生鮮食品の専門性や季節商品を重視しています。
安さを比べるなら、チェーン名だけで決めず、同じ商品の価格、特売、ポイント還元、購入後に使い切れる量まで確認するのがおすすめです。食品をまとめて購入したいならベルク、旬の生鮮食品を重視したいならベルクス、価格を最優先して必要最小限のサービスで買い物をしたいならベルクのディスカウント業態・クルベも選択肢になります。
また、ベルクとイオン、ベルクとベイシア、ベルクとクルベの関係はそれぞれ異なります。店名の印象だけで系列を判断せず、運営会社とブランドの位置づけを確認することが、スーパー選びで迷わないための基本です。最終的には、自宅や職場からの距離、日々のチラシ、よく購入する食品の価格、売り場の使いやすさを基準に、自分の生活に合う店舗を選ぶとよいでしょう。 (出典: ベルク と ベルクス の 違い(Yahoo!ニュース))